【番外編 完】愛を知らない彼
自宅に着いて、夕飯とお風呂を済ませてぼんやりとテレビを眺めていた時、テーブルに置いてあったスマホがなった。


『日本はそろそろ眠る時間かな?おやすみなさい』


神谷さんからだ。


『お仕事お疲れ様です。そろそろ寝ようと思っていたところです。おやすみなさい』


返信をするとすぐに、神谷さんから電話がかかってきた。

「もしもし」

「もしもし。神谷です。また突然すみません。声が聞きたくてかけてしまいました」

「お仕事中ですか?」

「今、ちょうど休憩中なんです。こうして声が聞けるのはいいですね。またかけさせてください」

「はい。大丈夫ですよ。むしろ、お忙しいのにありがとうございます」

「お土産、買って帰るから期待しててくださいね」

「わざわざすみません」

「いいんですよ。次に会う口実ですから。では、また。おやすみなさい」

「お、おやすみなさい」

次もすぐに会えるんだ。
たった数分の電話だったけど、胸の高鳴りがすごいことになっている。
すごく緊張した。でも、なんだか嬉しかった。
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