【番外編 完】愛を知らない彼
突然のことで驚いてしまった。
でも、ここ数日、神谷さんとメールや電話のやりとりをして、その人柄に触れて惹かれているのも事実。

「あのぉ……ここ数日、神谷さんとメールや電話でやりとりをして、すごく楽しかったんです。いつの間にか、神谷さんからの連絡を待っている自分がいました。私も、神谷さんが好きです」

言い終えた途端、神谷さんに腕を引かれて抱きしめられた。

「よかった。千花さん、あなたのことを大切にします」

恥ずかしくて何も言えず、俯いてしまったものの、気持ちは伝えたくて、そっと神谷さんの背に両手をまわした。
すると、一層強く抱きしめ返されて、幸せな気持ちでいっぱいになった。

それから、食後のコーヒーをいれて、ソファーに座ってお互いのことをたくさん話した。
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