【番外編 完】愛を知らない彼
熱をはらんだ康介さんの目に見つめられたら、逸らすことができなかった。
きっと、私の顔は真っ赤になっていたと思う。

「私も同じ気持ちです。私と一緒にいてください」


部屋に入るとすぐに、また康介さんに抱きしめられた。

「千花、好きだ」

そう言うと、康介さんはキスをしてきた。
何度も何度も啄ばむように口づけされた。

「……んん……」

思わず漏れた、私の吐息を合図にするかのように、熱い舌が入れられた。
康介さんのキスが気持ちよすぎて立っていられず、思わずしがみついた。

「ベッドはどこ?」

耳元で囁かれて力なく指差すと、康介さんは私を優しく抱き上げて靴を脱がすと、そのままベッドルームへ連れて行き、そっと降ろされた。
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