【番外編 完】愛を知らない彼
差し出された手に自分の手を重ねて、外に出た。
そのままタクシーに乗せられて来たのは、有名人も利用するという、アンダルシアホテル内のフレンチレストランだった。
個室に案内されて、まずはワインで乾杯した。

「千花、改めてお誕生日おめでとう。今夜は部屋もとってあるからゆっくりしよう」

「ありがとう。こんな素敵なレストラン、初めて来たわ。なんだかちょっと緊張しちゃう」

「あはは。千花、いつも通りでいいんだよ」

運ばれてくる料理を楽しみながら、たくさんお話をして、楽しい時間を過ごした。
そして、デザートが運ばれた後、康介さんが立ち上がって近づいてきた。
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