【番外編 完】愛を知らない彼
「そんな……」


その時、彼女のスマホがなった。

「失礼します」

そう言うと、彼女は私の目の前で電話に出た。

「もしもし、康介?どうかしたの?」

えっ?康介さんから?

「あぁ、その書類なら、私が用意した荷物の中ね。えぇ、そう。青いファイルよ」

康介さんは、仕事の用で電話してるだけなんだから、、

「見つかってよかった。帰ってきたらまた食事に連れて行ってよ。それじゃあ、お仕事頑張って。待ってるから」

そう言って電話を切ると、にっこり笑って私を見た。

「私達、公私ともに支え合ってるの。そうそう、康介ったら最近、近所に美味しいお惣菜屋さんができたって話してたの。なんだかおかしいなあって思ってたけど、あなたの事だったのね」

そう言って、クスリと笑った。
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