シックザール
「110番、この模造刀を道場へ戻してこい」
木陰で休んでいたあたしに、教官が命令する。あたしは「はい」と返事をして、逆らうことなく重い模造刀を抱えて道場へと向かう。さっきまで剣術の訓練をしていた。
このような雑用は、ほとんどあたしがしなければならない。逆らうことは許されない。
模造刀を戻し、あたしは訓練所へと急ぐ。その時、「ねえちょっといい?」と呼び止められた。
「はい」
振り向くと、そこには青い制服の男性がいた。少し長めの金髪のブラウンの目の男性。制服につけてあるのは潜入捜査をする班のものだ。
「どうされましたか?」
あたしは笑顔を作り、訊ねる。おそらく歳は同じくらいだろう。
「あの、特攻班の隊長はどこにいるか知ってる?」
男性の問いに、あたしは「あちらの方に行かれました」と答えた。
「そっか、ありがとう」
あたしに男性は笑いかける。それは、特攻班のみんながあたしに向けることのない笑顔だった。
木陰で休んでいたあたしに、教官が命令する。あたしは「はい」と返事をして、逆らうことなく重い模造刀を抱えて道場へと向かう。さっきまで剣術の訓練をしていた。
このような雑用は、ほとんどあたしがしなければならない。逆らうことは許されない。
模造刀を戻し、あたしは訓練所へと急ぐ。その時、「ねえちょっといい?」と呼び止められた。
「はい」
振り向くと、そこには青い制服の男性がいた。少し長めの金髪のブラウンの目の男性。制服につけてあるのは潜入捜査をする班のものだ。
「どうされましたか?」
あたしは笑顔を作り、訊ねる。おそらく歳は同じくらいだろう。
「あの、特攻班の隊長はどこにいるか知ってる?」
男性の問いに、あたしは「あちらの方に行かれました」と答えた。
「そっか、ありがとう」
あたしに男性は笑いかける。それは、特攻班のみんながあたしに向けることのない笑顔だった。