サヨナラのために


そっと抱きかかえられて、ベッドに下ろされる。


ワンピースの裾からそっと誠也の手が入り、太ももに触れる。


「ひゃ…」


「美羽、今日いつもより敏感」


「なんでそんな嬉しそうなのっ…」


子供みたいに無邪気に笑って、誠也の手が私の全身を撫でる。


背中、腰、首筋、お腹。


ツツ、と指先がつたるたびに、体が跳ねる。


「焦らさ、ないで…」


もっと。


もっと触れて欲しい。


めちゃくちゃにされたい。


スルリとワンピースが脱がされて、パチン、と下着の外れる音がした。


誠也の目線が私の全身に注がれる。


初めてのことじゃないのに、沸騰しそうに全身が熱い。

< 117 / 153 >

この作品をシェア

pagetop