サヨナラのために


首筋と鎖骨に何度もキスが落とされる。


「美羽、熱い」


キスはどんどん下におりていき、最も熱い部分に触れる。


誠也の吐息が肌にかかり、子宮が疼くような感覚が私を襲う。


「…甘」


何度も何度も確かめるように誠也の舌に求められ、何も考えられなくなる。


「ふ…ん、やぁ…も、むり…」


「美羽、かわいい」


ゴツゴツした彼の手がふくらみに触れる。


最初はそっと、腫れ物に触るように手を動かし、そしてだんだんと手に力が込められていく。


私の理性と離れて主張を強めるそれを、意地悪な指にピン、と弾かれる。


「ひぁっ…んん、」


その瞬間、電流が走ったかのように今までで一番の快感が全身を駆け巡った。


「美羽、ごめん、優しくできないかも」


サラリと前髪をはらわれて、誠也の余裕のない顔が目に入る。




この表情を、これからは私以外に見せるの?




唐突に浮かんだ考えに、すごく怖くなった。


「は、やく…」


「ん…」


グッと私のものじゃない熱が、ゆっくりと私をひらいてゆく。

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