サヨナラのために




目が覚めた時、まだ窓の外は暗かった。


隣で眠る誠也の髪にそっと触れてから、体を起こして携帯のディスプレイを見る。


朝の4時半。


私はそっと服を着る。


「…美羽?」


腰を優しく引き寄せられ、顔が埋められる。


「ごめん、起こしちゃった?」


「もう、帰るの?」


私はまた誠也のふわふわの髪を撫でる。





「ねえ、誠也、海に行かない?」



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