サヨナラのために
「…私、幸せになりたいの」
あなたと過ごした時間は、いつだって私にとっては輝いていて。
「だから、誠也といることはできない」
好きで、大好きで、愛おしくて。
あなたの恋人に、なりたくて。
「誠也といると、辛い」
誠也といると、幸せで。
「だから、バイバイ」
あなたがいなくなったら、私はどうやって生きていけばいいんだろう。
立ち上がって、誠也に背を向けて、私は歩く。
大丈夫、思い出せる。
目を閉じれば浮かんでくる、誠也とのたくさんの日々。
これさえあれば、大丈夫なのに。
「…ふ、っ…せいやぁ…」
どうしても、涙が止まらなかった。