サヨナラのために


「ありがと、先輩。でもナンパはよそでやってください」


「またフラれた〜」


私は笑って図書室を出る。


先輩も、後を追う。




大切だから。


もう、間違えたくない。


後悔、したくない。



ねえ、誠也。


あの日、私が子どもじみた感情に流されずに。


素直に、あなたのことが好きだと伝えられていたら。


告白されて、私は関係ないと言っていたあなたに、そんなことないって言えていたら。


そしたら、何か変わってたのかな。

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