サヨナラのために


サボんないでね、と孝宏先輩からメールが来たので、仕方なくちゃんと出席することにした。


3年生の卒業式。


一年後にはもうこの学校をでるなんて、想像できない。


未来のことなんて、何も分からなくて。


実感なんて、わかないうちに通り過ぎていく。


大切なことも、忘れられない瞬間も。




孝宏先輩に声をかけようと、騒がしい教室を出た。



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