サヨナラのために
「どうしたの?」
夕方。空が赤く染まるころ。
私は、公園の砂場で、1人うずくまっていた。
仲良しだったはずの友達に、もう一緒に遊びたくないって。
そう、言われて。
まだ小学一年生だった私は、驚きと、悲しみで、ただただ呆然とするしかなかった。
一人で遊ぶ砂場は私には広すぎて。
心に穴が空いてしまったみたいに空っぽで。
気づけば足が動かなくなっていた。
「大丈夫?」
そんな私に優しい声が、何度も降ってきて。
なかなか顔のあげられない私を、あなたはずっと待ってくれた。