サヨナラのために
誠也の部屋に入ったとき、私の顔を見てあなたは驚いてたね。
きっと、ひどい顔してた。
どうしたのって、優しく聞くから。
大好きなあなたの優しさも、なんだかすごく虚しくて。
私は、短絡的な考えで、私たちの関係を壊した。
どうしてかはあまり覚えてない。
でも、気づいたら私は誠也に押し倒されていて。
脱がされていく服の衣摺れと、肌に触れる指の感覚が妙に鮮明で。
なんでもよかった。
他の女の子と同じスタートラインに立てるなら。
幼馴染じゃなくて、ただの「美羽」としてみてもらえるなら、本当になんでもよかった。