サヨナラのために


誠也の視線が恥ずかしくて、赤く染まった顔を隠した。


誠也の指が触れるたびに心臓が跳ねて、声が漏れた。


恥ずかしさと快感で、思考が溶ける。


誠也の呼吸が荒くなるたび、体が熱くなった。


もう前みたいに笑いあえなくても、いい。


「ほんとに、いいの?」


誠也の声に、夢中で頷く。


初めて感じる痛みに、悲鳴が出そうになる。


誠也の首にしがみつく私の背中を、誠也は何度も撫でてくれた。


押し広げられ、私の中があなたでいっぱいになる。


ギシギシ、とベッドのスプリングが鳴る。


「せ、いや」


あなたを見失わないように、必死に名前を呼ぶ。


気持ちいいなんて、幸せだなんて、嘘だ。

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