サヨナラのために


濡れた目元を拭う。


懐かしい思い出。


ただ側にいたくて、必死で。


私は、あなたの気持ちも考えないで。


目を閉じて甦るのは、優しい夢なんかじゃない。




残酷な、現実。




突き上げるような痛みと、あなたの苦しそうな顔。


私を抱きしめるその手に、愛なんてなくて。



私たちの関係を変えてしまったのは、私だ。






もう、あの頃には戻れない。

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