サヨナラのために
『ほんとに行かなくていいの?仮病で部活休める』
誠也からのメッセージに、自然と口元が緩む。
『手伝ってくれる人集まったから大丈夫。それに同じクラスの人に恨まれるよ?部活も休むな!絶対来ないでよ!』
人が集まったなんて嘘だけど、誠也に手伝ってもらって、もしそれを誰かに見られたりしたら、さらにややこしいことになる。
「頑張らなきゃ」
誠也のメッセージだけで、さっきよりもやる気が増した気がする。
私は早速筆に絵具をつけて、丁寧に下書きの上から塗り始めた。