サヨナラのために
「…美羽、すごい」
「やだっ…恥ずかしい、から、言わないで…」
本当に、消えたい。
自分の全部を、誠也に見られる。
もう何度も繰り返していることなのに、慣れることなんてない。
「ふ…っん、あ」
誠也が熱に触れるたびに、抑えてるはずの声が出てしまう。
「美羽、いい?」
「ん…はや、く」
焦らさないで。
「っ…美羽、熱い。学校だから?」
「ばかばか、しらないっ…誠也の変態」
「そ、れは…美羽も、だろ」
窓の外から、生徒たちのはしゃぐ声が聞こえる。
誠也の吐息と、私の声が、重なる。
どこもかしこも熱くて、意識が飛びそう。
「せ、いや…せいや…っ」
「み、う…」
グッと、突き上げられるたびに泣きそうになる。
好き、なんて、誠也は絶対に言ってくれない。
私も、絶対に、言わない。
私たちはおかしい。
「せ、いや」
あと何回?
あと何回、あなたの名前を呼べる?
あと何回、あなたに名前を呼んでもらえるかな。