オリオン座の恋人
「何を、してるの?」
私は恐る恐る尋ねたけれど、彼はそんな私には構わずに、ただひたすらに毛皮をカットしていた。
(何だ、愛想ないなぁ)
私は溜息を吐いた。
オリオンというこの男は、今まで出会ったことのないタイプの男性だ。
昔から大抵の男は、私が声を掛けると下心剥き出しの笑顔で最大の愛想を振りまいてきたのに……今、目の前のこいつはまるで私に興味なさげだ。
まぁ、別に愛想よくしてもらいたいとも思っていないんだけど。
そんなことを考えながら、岩の上で膝を伸ばし足の爪先を眺めていた時だった。
「おい」
突然にオリオンが立ち上がり、私にごっつい毛皮を突き出した。
「これ……」
「お前の衣服だ、着ろ」
「えっ、衣服って……」
それは確かに、袖も袖を通す穴もあったのだが、本当に毛皮を腕ずくで加工しただけで。
煌びやかな女性ものの洋服で溢れていた元の世界では決して目にしたことのないようなものだった。
「着たくない、こんなの……」
それは見るからに無骨で……折角、彼が作ってくれたものだけれど、着るのに躊躇を禁じ得なかった。
「……なら無理に着ろとは言わないが、凍えるぞ」
我儘な私に彼は怒ることはせずに、だけれど冷たく突き放すような物言いをして、背を向けた。
私は恐る恐る尋ねたけれど、彼はそんな私には構わずに、ただひたすらに毛皮をカットしていた。
(何だ、愛想ないなぁ)
私は溜息を吐いた。
オリオンというこの男は、今まで出会ったことのないタイプの男性だ。
昔から大抵の男は、私が声を掛けると下心剥き出しの笑顔で最大の愛想を振りまいてきたのに……今、目の前のこいつはまるで私に興味なさげだ。
まぁ、別に愛想よくしてもらいたいとも思っていないんだけど。
そんなことを考えながら、岩の上で膝を伸ばし足の爪先を眺めていた時だった。
「おい」
突然にオリオンが立ち上がり、私にごっつい毛皮を突き出した。
「これ……」
「お前の衣服だ、着ろ」
「えっ、衣服って……」
それは確かに、袖も袖を通す穴もあったのだが、本当に毛皮を腕ずくで加工しただけで。
煌びやかな女性ものの洋服で溢れていた元の世界では決して目にしたことのないようなものだった。
「着たくない、こんなの……」
それは見るからに無骨で……折角、彼が作ってくれたものだけれど、着るのに躊躇を禁じ得なかった。
「……なら無理に着ろとは言わないが、凍えるぞ」
我儘な私に彼は怒ることはせずに、だけれど冷たく突き放すような物言いをして、背を向けた。