オリオン座の恋人
私には、どんな気候なんだか未だにつかめていなかったんだけど……この世界には荒涼と広がる砂漠地域と、まるでジャングルのように鬱蒼と木や草の生い茂る地域があるようで。
狩りは当然、ジャングルの方で行う。
オリオンは裸足のくせに、慣れているかのようにずんずんと、そのジャングルの中を突き進んで行って。その手に重い弓と矢を持っているなんて、信じられないくらいで。
「いたっ! オリオン、ちょっと待ってよ……」
日中に彼と出歩くなんて魚釣りの日以来のことだったけれど、そんな感傷に浸っている場合でなく……私はただ、オリオンに付いて行くのが精一杯だった。
人間離れした動きをするオリオンに、息を切らしながら必死で付いて行って……だがしかし、彼は急に立ち止まって茂みの裏に隠れた。
「え、オリオン?」
「しっ!」
オリオンは私の口を塞いだ。
その茂みから見えたのは二匹の鹿だった。
それも大きい鹿と小さい鹿……母子なのだろうか。その、子鹿の顔をペロペロと舐めている母鹿に向かって、オリオンがギリギリと弓を引く……!
「ちょっと……やめてよ! お母さんが死んじゃったらあの子鹿、どうやって生きていくのよ!」
思わず……自分の感情を堪えることができずに叫んでしまって。鹿は母子ともにこちらを見て、私達に気付いた。
狩りは当然、ジャングルの方で行う。
オリオンは裸足のくせに、慣れているかのようにずんずんと、そのジャングルの中を突き進んで行って。その手に重い弓と矢を持っているなんて、信じられないくらいで。
「いたっ! オリオン、ちょっと待ってよ……」
日中に彼と出歩くなんて魚釣りの日以来のことだったけれど、そんな感傷に浸っている場合でなく……私はただ、オリオンに付いて行くのが精一杯だった。
人間離れした動きをするオリオンに、息を切らしながら必死で付いて行って……だがしかし、彼は急に立ち止まって茂みの裏に隠れた。
「え、オリオン?」
「しっ!」
オリオンは私の口を塞いだ。
その茂みから見えたのは二匹の鹿だった。
それも大きい鹿と小さい鹿……母子なのだろうか。その、子鹿の顔をペロペロと舐めている母鹿に向かって、オリオンがギリギリと弓を引く……!
「ちょっと……やめてよ! お母さんが死んじゃったらあの子鹿、どうやって生きていくのよ!」
思わず……自分の感情を堪えることができずに叫んでしまって。鹿は母子ともにこちらを見て、私達に気付いた。