オリオン座の恋人
それって、私がアルテミスに比べて魅力がないから?
私は子供だし……そりゃあまぁ、昔から可愛いとは言われてきて、男子からも何度も告られてきたけれど、アルテミスのあの美しさに比べたら全然、見劣るし。
そんなことを考えていたら、何だか私の中ではモヤモヤとしたものが渦巻いていた。
こんな気持ち、初めてだ。今までは火の粉を振り払うように男子からの告りを断ってきたのに……今の私はオリオンから相手にされないのが悔しい。
(あ〜、もう!)
整理もつかないそんな気持ちに苛立って、私もオリオンと反対方向に寝返りを打った。
翌朝になってもオリオンの機嫌は直らず、仏頂面だった。
「お前のその肉もよこせ。これだけじゃ、狩りで体が動けん」
「何、言ってるのよ。私の食い分がなくなるでしょ」
「お前は今日は動かんでいい。ここでずっと寝ていろ」
「もう……」
私がか弱い女の子だということを分かっていないようなオリオンに、渋々と燻製の肉を渡した。食料がないのは私の所為なんだけど……何だか彼の苛立ちは、子供っぽい感情を含んでいるような気がする。
「狩りに出る」
その肉をさっさと口に放り込み、彼はやっぱりムスッとした顔で洞窟を出て行った。
私は子供だし……そりゃあまぁ、昔から可愛いとは言われてきて、男子からも何度も告られてきたけれど、アルテミスのあの美しさに比べたら全然、見劣るし。
そんなことを考えていたら、何だか私の中ではモヤモヤとしたものが渦巻いていた。
こんな気持ち、初めてだ。今までは火の粉を振り払うように男子からの告りを断ってきたのに……今の私はオリオンから相手にされないのが悔しい。
(あ〜、もう!)
整理もつかないそんな気持ちに苛立って、私もオリオンと反対方向に寝返りを打った。
翌朝になってもオリオンの機嫌は直らず、仏頂面だった。
「お前のその肉もよこせ。これだけじゃ、狩りで体が動けん」
「何、言ってるのよ。私の食い分がなくなるでしょ」
「お前は今日は動かんでいい。ここでずっと寝ていろ」
「もう……」
私がか弱い女の子だということを分かっていないようなオリオンに、渋々と燻製の肉を渡した。食料がないのは私の所為なんだけど……何だか彼の苛立ちは、子供っぽい感情を含んでいるような気がする。
「狩りに出る」
その肉をさっさと口に放り込み、彼はやっぱりムスッとした顔で洞窟を出て行った。