オリオン座の恋人
「おいこら、ちょっと待てよ」

ワゴン車は私を少し追い越して停まりドアが開いて男が二人降りてきた。

(うそっ!)

私は咄嗟に方向を変え、走ろうとした。
しかしそいつらは、それより前に私の腕を鷲掴みにして車の中へ引き摺り込んだのだ。

「ちょっと、やめてよ! やだ!」

私は叫び、手足をバタバタさせて暴れるが……男四人に押さえつけられ、無理矢理に車へ押し込まれてドアが閉められた。

「うっひょー! めっちゃ可愛い! 俺ら、ツイてるぜ」

「おい、お前、ガッつきすぎだぜ。俺にも触らせろよ」

金髪のチャラ男が運転する車内。
三人の男達が乱雑に私の身体を嬲った。

「やだ、やだー! キモいって。やめてよー!」

「うるせぇよ!」

男が怒鳴った途端に私の頭に鈍痛が走った。
クラクラして目が回る。
どうやら、私の頬がグーで思い切り殴られたみたいだ。

そのことを認識する間もなく、ビリビリという布の裂ける音と共に、ブラに隠された私の胸が露わになった。

「うっひょー! いただき!」

男達は乱雑にブラを剥ぎ取り、我先にと私の胸に吸い付く。

(嫌だ、嫌……どうして、こんな……)

どれだけ力を入れて暴れようとしても、三人の男達によって押さえつけられた私の体は動かない。
そして、成すすべもなく汚されてゆく。
薄ら笑いを浮かべる、この醜い悪魔達によって……。

「おいこら。俺にもヤラせろよ」

車は停止して運転席の金髪男がニヤニヤ笑いながら降り、後部座席のドアが開いた。
その瞬間、私は体中の力を振り絞って暴れた。

「あ、おい。こら!」

男達を振り払い、思い切り駆け出した。

どうやら、ここは山奥。
深い所まで連れて来られたのか、足の裏に草木や小石なんかが食い込む。
しかし、そんなことに構っている場合ではない。
命からがら、必死で走った。
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