オリオン座の恋人
*
アルテミスの温もりの中で流すだけの涙を流して……気分の落ち着いた時には、空は夕焼けでオレンジ色に染まっていた。
「今日は……どうも、ありがとうございました。知りたかった、オリオンの過去を教えてくれて。それに、泣いてしまって。みっともない姿を見せてしまって、すみません」
「いいえ、いいのよ。そんなことより、あなた……」
アルテミスは、私の纏っている鹿の毛皮をじっと見て。思い立ったように、小屋の奥へと入って行った。
何だろう……そう思っていた私は、彼女の持って来たそれを見て、目を見張った。
「すごい。綺麗なドレス……」
シルク製だろうか。そのドレスは美しい青色で、元の世界でもこんなに綺麗なものは見たことがなくて。
そんなドレスがまさかこの世界で見れるとは思っていなくて、私は感動した。
「差し上げるわ」
「えっ、本当に?」
「ええ」
アルテミスは、長い睫毛の目をふわっと細めた。
「私の一番のお気に入りだったドレス。そう。あのオリオンが、すごく綺麗だと言ってくれた……」
彼女のその笑顔は何処か切なそうで。だけれども、オリオンの元で私がそれを着ることをとても喜んでいる。そんな表情をしていた。
だから……
「ありがとうございます」
私は遠慮なく、それを受け取って。アルテミスはそんな私に、切なくもとても幸せそうな笑顔を見せてくれたのだった。
アルテミスの温もりの中で流すだけの涙を流して……気分の落ち着いた時には、空は夕焼けでオレンジ色に染まっていた。
「今日は……どうも、ありがとうございました。知りたかった、オリオンの過去を教えてくれて。それに、泣いてしまって。みっともない姿を見せてしまって、すみません」
「いいえ、いいのよ。そんなことより、あなた……」
アルテミスは、私の纏っている鹿の毛皮をじっと見て。思い立ったように、小屋の奥へと入って行った。
何だろう……そう思っていた私は、彼女の持って来たそれを見て、目を見張った。
「すごい。綺麗なドレス……」
シルク製だろうか。そのドレスは美しい青色で、元の世界でもこんなに綺麗なものは見たことがなくて。
そんなドレスがまさかこの世界で見れるとは思っていなくて、私は感動した。
「差し上げるわ」
「えっ、本当に?」
「ええ」
アルテミスは、長い睫毛の目をふわっと細めた。
「私の一番のお気に入りだったドレス。そう。あのオリオンが、すごく綺麗だと言ってくれた……」
彼女のその笑顔は何処か切なそうで。だけれども、オリオンの元で私がそれを着ることをとても喜んでいる。そんな表情をしていた。
だから……
「ありがとうございます」
私は遠慮なく、それを受け取って。アルテミスはそんな私に、切なくもとても幸せそうな笑顔を見せてくれたのだった。