オリオン座の恋人
「ちょっと、オリオン。あの人、私の命の恩人なのよ? どうして追い払ったりしたの!」
洞窟への道すがら、私はイライラと喧嘩腰にオリオンに尋ねた。
「たわけ! 自分に近づく者に容易く気を許すでないわ!」
オリオンも、目に見えて苛立っていて。私はふぅ……と溜息を吐いた。
「あ〜あ、折角、アルテミス以外にマトモっぽい人と知り合えたと思ったのに……」
そこまで言って。私はハッと気付いた。
「あ! オリオン。もしかして、ガイアが美青年だから妬いてた?」
「何を言っているんだ、お前は。俺は今日はまだ、何も焼いてなんかいないぞ?」
オリオンは眉をひそめた。
「いや、その焼く、じゃなくて、嫉妬よ。嫉妬してたんでしょ?」
「なっ……どうして俺がそんなこと、しなくちゃいけない? お前のことなんざ、何とも思ってないわ!」
「あ、何か、ムキになってる。やっぱり、そうだったんだ」
ニーっと目を細める私に、オリオンはあからさまに不機嫌になった。
「このたわけ! もう、付き合ってられん。放って帰るぞ!」
「あ、オリオン。ちょっと、待ってよ……」
さっさと帰ろうとするオリオンを必死で追いかける。
彼は相変わらず無愛想で粗暴だけれど、何処か愛しくて可愛い。
そんな彼と一緒に暮らすことに私はこの上ない幸せを感じていて……だからこそ、私達に迫ってくる黒い影に、漠然とした不安を感じていた。
洞窟への道すがら、私はイライラと喧嘩腰にオリオンに尋ねた。
「たわけ! 自分に近づく者に容易く気を許すでないわ!」
オリオンも、目に見えて苛立っていて。私はふぅ……と溜息を吐いた。
「あ〜あ、折角、アルテミス以外にマトモっぽい人と知り合えたと思ったのに……」
そこまで言って。私はハッと気付いた。
「あ! オリオン。もしかして、ガイアが美青年だから妬いてた?」
「何を言っているんだ、お前は。俺は今日はまだ、何も焼いてなんかいないぞ?」
オリオンは眉をひそめた。
「いや、その焼く、じゃなくて、嫉妬よ。嫉妬してたんでしょ?」
「なっ……どうして俺がそんなこと、しなくちゃいけない? お前のことなんざ、何とも思ってないわ!」
「あ、何か、ムキになってる。やっぱり、そうだったんだ」
ニーっと目を細める私に、オリオンはあからさまに不機嫌になった。
「このたわけ! もう、付き合ってられん。放って帰るぞ!」
「あ、オリオン。ちょっと、待ってよ……」
さっさと帰ろうとするオリオンを必死で追いかける。
彼は相変わらず無愛想で粗暴だけれど、何処か愛しくて可愛い。
そんな彼と一緒に暮らすことに私はこの上ない幸せを感じていて……だからこそ、私達に迫ってくる黒い影に、漠然とした不安を感じていた。