オリオン座の恋人


あれから、数日が経った。
ガイアは手厚く私の看病を続けてくれて、私の体は段々と軽く、言うことを聞いてくれるようになった。

だからこそ……向かい合って朝食をとっている間でも気になる。オリオンのこと……

「ねぇ、今日こそは……オリオンに会える?」

すると、ガイアは苦笑いした。

「セナはいつも、オリオンのことばかりだな」

「だって、気になるんだもの。あんな奴でも一応……」

「セナの恋人だから?」

まるで少女のようなあどけない笑顔で尋ねられて、思わず言葉に詰まる。

恋人なのかどうか……確かめる間もなく、離れてしまった。
だけれども、私の気持ちはもう、決まっていた。
こうして少し離れているだけで、彼のことが気になって仕方がない。いつでも、何をしてる時でも、寝ている時でさえ、彼のことを考えている。そう……どうしようもないほどに苦しくなる、この感情。これって……私、彼のことが好きで好きで堪らないんだ。
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