オリオン座の恋人
久しぶりに出る外はポカポカとして、空気も美味しくて心地よかった。そんな中、私はワクワクとしながらガイアの後を付いて行った。

だって、やっとオリオンと会える。
彼に会うのって、何日ぶりだろう。数日会ってなかっただけで寂しくて切なくて、堪らなかったんだから。

ワクワクしながら付いて行ったのだけれど。
ガイアが案内した先はオリオンの洞窟ではなくって……砂ばかりの荒涼とした砂漠だったのだ。

「ちょ……ちょっと、ガイア。 何よ、ここ? どうして、こんな所……」

「動かないで!」

「えっ?」

「動いたら……刺されるよ」

ガイアのその声に驚いて。その砂漠をもう一度よく見ると……黒く光る大きなサソリがそこかしこにうごめいていたのだ。

「どういうこと? ガイア。このサソリは……」

何が何だか分からずに……私は茫然と、彼に尋ねた。
しかし、その時。

「ガイア! おのれ……セナのことを返してもらうぞ」

刺すように鋭く、大きな……だけれども、愛しくて。聞きたくて仕方がなかった声が聞こえた。
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