オリオン座の恋人
〜第ニ章 オリオンの洞窟〜
「オ……オリオンって、オリオン座の?」
「オリオン座? 何を言っているのだ、お前は?」
恐る恐る尋ねる私に、オリオンと名乗るその男は荘厳な顔を崩さずに返した。
何を言っている……それは、私の台詞だ。
こいつこそ、ポセイドーンの子だとか何とか言って、どうかしている。
それに、彼のその恰好……毛皮の布一枚のみを纏って、手には棍棒なんか持って、頭がおかしいんじゃないか?
そんなことを考えた私はふと、今の自分の恰好……首から下を見た。
「キャ……キャアア!」
激しく動転した。
だって、私の服はあいつら……チャラ男達にビリビリに破られてブラも外されていて。
胸が露わになったままだったのだ。
「見ないでよ、見ないでぇ!」
私の脳裏には、あいつらの醜くて汚い顔が浮かんで……パニックになってひたすらに叫んだ。
嫌だ、怖い……!
私の頭の中でフラッシュバックした記憶に、私の全身はガタガタと震え始めた。
すると……私の肩にフサっとしたものがかけられた。
「これは……」
タオルじゃない……少しかたくて、だけれども、とっても温かい。
「シカの毛皮だ。私の隠れ家に着くまでの暫しの間、体を隠すといい」
オリオンは白い袋の口を締めた。
「隠れ家って……?」
「ここからそう、遠くはない。お前の着る物を作ってやる」
彼はそう言って、無骨な手でぶっきら棒に私の手を引いた。
「え……えぇ。ありがとう」
ちょっと優しい……?
こんな時なのに、私は少しだけドキっとして。
彼に対する不信感は拭いきれなかったけれど……私は彼に引かれてゴツゴツとした岩の上を歩いて行った。
「オリオン座? 何を言っているのだ、お前は?」
恐る恐る尋ねる私に、オリオンと名乗るその男は荘厳な顔を崩さずに返した。
何を言っている……それは、私の台詞だ。
こいつこそ、ポセイドーンの子だとか何とか言って、どうかしている。
それに、彼のその恰好……毛皮の布一枚のみを纏って、手には棍棒なんか持って、頭がおかしいんじゃないか?
そんなことを考えた私はふと、今の自分の恰好……首から下を見た。
「キャ……キャアア!」
激しく動転した。
だって、私の服はあいつら……チャラ男達にビリビリに破られてブラも外されていて。
胸が露わになったままだったのだ。
「見ないでよ、見ないでぇ!」
私の脳裏には、あいつらの醜くて汚い顔が浮かんで……パニックになってひたすらに叫んだ。
嫌だ、怖い……!
私の頭の中でフラッシュバックした記憶に、私の全身はガタガタと震え始めた。
すると……私の肩にフサっとしたものがかけられた。
「これは……」
タオルじゃない……少しかたくて、だけれども、とっても温かい。
「シカの毛皮だ。私の隠れ家に着くまでの暫しの間、体を隠すといい」
オリオンは白い袋の口を締めた。
「隠れ家って……?」
「ここからそう、遠くはない。お前の着る物を作ってやる」
彼はそう言って、無骨な手でぶっきら棒に私の手を引いた。
「え……えぇ。ありがとう」
ちょっと優しい……?
こんな時なのに、私は少しだけドキっとして。
彼に対する不信感は拭いきれなかったけれど……私は彼に引かれてゴツゴツとした岩の上を歩いて行った。