オリオン座の恋人
そんな小さなことからも、このアルテミスはオリオンの気持ちが分かるんだな。
私は嬉しくて……だけれど同時に切なくもある、不思議な気持ちになった。

「だから! あなたはもっと、自信を持って。あなたとオリオンはもう……この世界で一番の、恋人同士なんだから!」

「この世界で一番の……」

アルテミスの言ってくれたその言葉は嬉しくて。それも、私の憧れの、飛び切り素敵な女性に言われて、すごく幸せだった。

だから、私の目にはじんわりと熱いものが込み上げてきた。


「アルテミス、ありがとう。私……ずっと、オリオンと一緒にいる。彼の恋人として」

「ええ……」

私の言葉に頷いた彼女はしかし、まっすぐと目を合わせて真剣な顔をした。

「私も。あなたとオリオンにはずっと、幸せに暮らしていてもらいたい。だから……だからこそ。あなたには、話しておかなければならないことがあるの」

「話しておかなければならないこと?」

アルテミスは真剣な表情を崩さずに頷いた。
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