知らない恋を
「い、いきなりなにするんですか……っ。」


「え?髪型変えたらまた違う可愛さがあるよって。」


「…そんなの知りません!」


「照れてる?怒ってる?」


「知りません!!」



俺の手から髪紐を奪うと

彼女は真っ赤な顔のまま


そのまま図書室から出ていった



残された俺は

窓ガラス越しにそんな彼女の後ろ姿を眺めながら小さく笑った



「……充分、可愛いよ。」
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