恋愛なんて、するはずない。
──30分前。
「御園 茜さん。
俺、ずっと好きでした、付き合ってください!」
「ごめんなさい。」
「そ、即答…、そんな…。」
そう言って落ち込む男子生徒。
正直、彼の名前は知らない。
そして、週に約3回は毎回いろんな人に告られる。
もううんざりだ。
「ちなみに、私のどこがいいと思ったの?」
「えっ、えっと…」
そう言って男子生徒君は俯く。
分かってる。
みんな、私の"顔"なんでしょ?
普通本気で好きならすぐに答えられるはずだもの。
「ほら、ごめんなさい。
私、委員会の仕事があるから。」
そう言って私は男子生徒君に背を向け、歩き出した。
私の名前は御園 茜(ミソノ アカネ)。
たぶん、美少女なんだと思う。
でも、私からしたらそんなことないと思うんだけど…なんて言ったら皮肉か!ってなるよね。
高校生にもなったからか、周りはカップルでいっぱい。
どこを見ても男女でくっついている。
「恋愛なんて、どうせすぐに終わるわ。」
私はそんなカップルだらけの場所から1秒でも早くでようと早歩きで去る。
ガラガラ
私が図書室に入ると、シーンとしていた。
まっ、今日は図書室休みにしているし、当然か。
誰もいないと思って私は「はぁ…」とため息をついて入る。
「ため息をつくと、幸せが逃げていく。
…また、告られてたな。」
「えっ!?」
突然声が聞こえたと思ったら窓側の椅子に座って、本を読んでいる人がいた。
「…雨ケ谷 零君。
また君?」
そう、彼の名前は雨ヶ谷 零(アマガヤ レイ)。
学校一のイケメンで、毎日のように女子に告白され、キャーキャー言われている。
それだけでなく、学力も運動神経も良く、男ウケもいい、完璧男子。
「休みの日は入ったらだめだって何度言えばわかるの?」
私はズカズカと彼へ近づく。
「うるさいんだ、いつもいつも女子が周りをキャーキャー囲んでいるからな…」
以外だと思った。
毎度毎度図書室を閉めている日に彼はここにいる。
それで、「隠れている」とだけ言っていたけど、まさかうざいと思っていたなんて。
男子は女子に囲まれると嬉しいものなのかと勝手に思っていた。
「ここなら、おまえ以外来ることはないし、バレないだろうからな。
もしバレてもこんなに本棚があればすぐに隠れられるし。」
そう言って彼は再び本を読もうとする。
「それより、さっきの…聞いてたの?」
「あー、告白?
偶然ここに来る途中聞こえたただけだが?」
「…そう、なら"また"ってどうしてわかったの?」
私は彼に顔をグイッと近づける。
「それは、男子が噂しまくってるからな。
また即答で振られたーとか。」
雨ケ谷君はそう呟く。
「へぇー。」
私は本の生理をしようと彼から離れる。
絶対いままでのも見てたなこいつ…。
と思いつつもぐっと堪えて本を揃える。
…っ、高いな。
上の方の棚の飛び出している本を直そうとする。
これでも身長は平均的なはずなんだけど…。
背伸びでも届かないなんて…
私はえいっとジャンプして本を押す。
しかし、指先しか当たらず、なにより分厚いからなのか、隙間が狭いからなのか、なかなか入らない。
雨ケ谷君に頼もう見てみるが、彼はいつの間にか寝ていた。
役に立たないわね…
でも、こう見ると本当に整った顔立ちだ。
開いた窓から吹く風になびく髪。
太陽の光に照らされた全身。
カーテンで見え隠れする顔。
一つ一つが本当に綺麗だった。
これは女子達も好きになっちゃうねーなんて思いながらも私は脚立を持ってくる。
そして脚立の上に立ち、手を伸ばす。
これならやっと届く。
私はその近くの本も揃える。
「この本、ここじゃないじゃない…」
私はその本を持って脚立から一段一段降りて行く。
ガタンッ
慎重に降りているつもりだったけど、ついうっかり踏み外していた。
「わっ」
私は反射的に目を閉じる。
「御園 茜さん。
俺、ずっと好きでした、付き合ってください!」
「ごめんなさい。」
「そ、即答…、そんな…。」
そう言って落ち込む男子生徒。
正直、彼の名前は知らない。
そして、週に約3回は毎回いろんな人に告られる。
もううんざりだ。
「ちなみに、私のどこがいいと思ったの?」
「えっ、えっと…」
そう言って男子生徒君は俯く。
分かってる。
みんな、私の"顔"なんでしょ?
普通本気で好きならすぐに答えられるはずだもの。
「ほら、ごめんなさい。
私、委員会の仕事があるから。」
そう言って私は男子生徒君に背を向け、歩き出した。
私の名前は御園 茜(ミソノ アカネ)。
たぶん、美少女なんだと思う。
でも、私からしたらそんなことないと思うんだけど…なんて言ったら皮肉か!ってなるよね。
高校生にもなったからか、周りはカップルでいっぱい。
どこを見ても男女でくっついている。
「恋愛なんて、どうせすぐに終わるわ。」
私はそんなカップルだらけの場所から1秒でも早くでようと早歩きで去る。
ガラガラ
私が図書室に入ると、シーンとしていた。
まっ、今日は図書室休みにしているし、当然か。
誰もいないと思って私は「はぁ…」とため息をついて入る。
「ため息をつくと、幸せが逃げていく。
…また、告られてたな。」
「えっ!?」
突然声が聞こえたと思ったら窓側の椅子に座って、本を読んでいる人がいた。
「…雨ケ谷 零君。
また君?」
そう、彼の名前は雨ヶ谷 零(アマガヤ レイ)。
学校一のイケメンで、毎日のように女子に告白され、キャーキャー言われている。
それだけでなく、学力も運動神経も良く、男ウケもいい、完璧男子。
「休みの日は入ったらだめだって何度言えばわかるの?」
私はズカズカと彼へ近づく。
「うるさいんだ、いつもいつも女子が周りをキャーキャー囲んでいるからな…」
以外だと思った。
毎度毎度図書室を閉めている日に彼はここにいる。
それで、「隠れている」とだけ言っていたけど、まさかうざいと思っていたなんて。
男子は女子に囲まれると嬉しいものなのかと勝手に思っていた。
「ここなら、おまえ以外来ることはないし、バレないだろうからな。
もしバレてもこんなに本棚があればすぐに隠れられるし。」
そう言って彼は再び本を読もうとする。
「それより、さっきの…聞いてたの?」
「あー、告白?
偶然ここに来る途中聞こえたただけだが?」
「…そう、なら"また"ってどうしてわかったの?」
私は彼に顔をグイッと近づける。
「それは、男子が噂しまくってるからな。
また即答で振られたーとか。」
雨ケ谷君はそう呟く。
「へぇー。」
私は本の生理をしようと彼から離れる。
絶対いままでのも見てたなこいつ…。
と思いつつもぐっと堪えて本を揃える。
…っ、高いな。
上の方の棚の飛び出している本を直そうとする。
これでも身長は平均的なはずなんだけど…。
背伸びでも届かないなんて…
私はえいっとジャンプして本を押す。
しかし、指先しか当たらず、なにより分厚いからなのか、隙間が狭いからなのか、なかなか入らない。
雨ケ谷君に頼もう見てみるが、彼はいつの間にか寝ていた。
役に立たないわね…
でも、こう見ると本当に整った顔立ちだ。
開いた窓から吹く風になびく髪。
太陽の光に照らされた全身。
カーテンで見え隠れする顔。
一つ一つが本当に綺麗だった。
これは女子達も好きになっちゃうねーなんて思いながらも私は脚立を持ってくる。
そして脚立の上に立ち、手を伸ばす。
これならやっと届く。
私はその近くの本も揃える。
「この本、ここじゃないじゃない…」
私はその本を持って脚立から一段一段降りて行く。
ガタンッ
慎重に降りているつもりだったけど、ついうっかり踏み外していた。
「わっ」
私は反射的に目を閉じる。