極上蜜夜~一夜の過ちから始める契約結婚~
春馬さんからの連絡が途絶えて、三週間。
私の気持ちは、鬱々と淀んだまま。
出口のない真っ暗闇の迷路の中を、彷徨っているような気分だった。
破談後のことは、なにも手をつけられずにいた。
やるべきことは山ほどあるのに、目を背けて逃げていた。
だから当然、旅行のキャンセルなんて、頭が回るわけがない。
一週間前、エアーとホテルの手配をお願いした旅行会社から、最終確認の封書が届いて初めて、心が現実に引き戻された、そんな感覚だった。
彼と二人で行く予定だった旅行だ。
普段の私の常識で考えれば、その時すぐにキャンセルの連絡を入れていたはず。
思い留まったのは、婚約破棄という悪夢に背を向けたまま、放置してはいられないことを、やっと現実として受け止めたから。
春馬さんから申し出を受けたあの日からどれだけ時間が経っても、私はまだあのカフェの席で凍りついたまま、動けなくなったような気分でいた。
でも、このことは両親にも伝えなきゃいけない。
浮かれすぎて、『結婚式には来てね』と、フライングで招待した友人にも。
悲しいし、言いにくい。
なにより、とても惨めだ。
だから私には、傷ついた心を癒し、足を踏み出すための準備期間が必要だった。
私のことを知ってる人が誰もいない場所で一人になって、心を穏やかにして、自分のこれからを見つめ直す。
そういう時間が、必要だった。
私の気持ちは、鬱々と淀んだまま。
出口のない真っ暗闇の迷路の中を、彷徨っているような気分だった。
破談後のことは、なにも手をつけられずにいた。
やるべきことは山ほどあるのに、目を背けて逃げていた。
だから当然、旅行のキャンセルなんて、頭が回るわけがない。
一週間前、エアーとホテルの手配をお願いした旅行会社から、最終確認の封書が届いて初めて、心が現実に引き戻された、そんな感覚だった。
彼と二人で行く予定だった旅行だ。
普段の私の常識で考えれば、その時すぐにキャンセルの連絡を入れていたはず。
思い留まったのは、婚約破棄という悪夢に背を向けたまま、放置してはいられないことを、やっと現実として受け止めたから。
春馬さんから申し出を受けたあの日からどれだけ時間が経っても、私はまだあのカフェの席で凍りついたまま、動けなくなったような気分でいた。
でも、このことは両親にも伝えなきゃいけない。
浮かれすぎて、『結婚式には来てね』と、フライングで招待した友人にも。
悲しいし、言いにくい。
なにより、とても惨めだ。
だから私には、傷ついた心を癒し、足を踏み出すための準備期間が必要だった。
私のことを知ってる人が誰もいない場所で一人になって、心を穏やかにして、自分のこれからを見つめ直す。
そういう時間が、必要だった。