live ~貴方に会えて~
「面白そうだったから、連れてきたいと思った。」
「私はここで何をすればいいの。」
「歌ってみてよ。」
「…え……?」
歌う…?
「ごめん。それは出来ない。」
私は、断った。
「どうして…?」
私の歌は、“あの人”だけのものだから…。
“あの人”との2人だけの歌だから…。
「…まぁ、無理強いさすのもあれだからな…。」
「ごめんね。」
「あっ、全然大丈夫…。」
緋勇は、少しだけ沈んでしまった空気を明るくしようとしたのか、こんなことを聞いてきた。
「リブって知ってる?」
ドクン…。
「2年前、突然消えた大人気歌い手グループ。」
「…知ってるよ…。」
知っている…。
「俺ら、リブに憧れて歌い手を始めたんだ。」
「……。」
憧れ…。
「でも、リブは急に歌い手界から姿を消した。」
「そうだね。」