live ~貴方に会えて~
出会い
殴り掛かったら、警察行けるんだよね。
殴られそうになった直前、誰かが私の前に立った。
「なんだてめぇ!」
「お前らが、先にぶつかったんだろ。」
「あぁ!?」
「殴ったら、警察沙汰になるけど、大丈夫?」
「チッ…。うぜぇんだよ!」
そう荒い声で叫びながら、男は帰って行った。
「大丈夫か?」
目の前にいた、助けてくれた男の人が私に聞く。
「助けてくれて、ありがとうございました。」
一応、お礼は言う。
別に助けてもらわなくても良かったんだけどね。
「あぁ、怪我はないか?」
「大丈夫。」
「良かった。」
…さっきから気になっていた。
「貴方、歌をやっている?」
力強い元気な声、その中に優しさがある。
この声は、素晴らしい。
「…え?なんでわかんの?」
「声…かな。」
私は、そう言う。
あぁ、この人は音楽をやっているんだ…。
「じゃあ、私はこの辺で…。ありがとうございました。」
そう言って、私はこの場を去ろうとした。
「待って。」
パシッと、腕を掴まれる。