最後の陽が昇る日まで
第2話 知りたい、と思うこと
次の日、いつものように夜目覚ましが鳴る。
昨日と違ってあっさりと起きることが出来たので、梶が来る前に着替えまで済ませることにする。
自分で出来ることは自分でする。
そうしないと、堕落してしまうから。
ーーーコンコン
「はい」
「失礼します。おはようございます」
「おはようございます」
「今日は、目覚めが良い様子で安心しました」
「珍しくね」
小さく笑うと、梶はあまり表情を崩すことはなかった。
でも、雰囲気が穏やかなので、わたしは特に気にはしない。
「今日は、何があるの?」
「今日の予定は、特にありません」
「え?」
「たまには、自由を、と旦那様から言付かっています」
「お父様とお母様は?」
「今日から1週間ほど海外出張でいらっしゃいません」
「・・・」
今日は、何もない。自由。
心の中で2回ほど繰り返し呟く。
「どうされますか?」
梶に聞かれ、わたしは応えることが出来ず、代わりに腕を組んで唸る。
「どうしましょう・・・」
診察も家庭教師の先生との勉強も何もない。
こんな日はあまりないので、朝まで何をしたらいいのかイマイチよくわからない。