最後の陽が昇る日まで
どの店に行っても半歩後ろで梶が待機している。
可愛い服を見つけて試着して梶に見せても反応は薄く、試した服全てレジに持って行きそうだったので必死に止めた。
いろんな店に行って、その中で一番気に入った服を何着か購入して、次にアクセサリーショップに行ってみる。
店はキラキラとしていて、ネックレスや指輪、ピアスに髪留めなどたくさんの品が並べてある。
ネックレスや指輪はあまりつける習慣はない。
ピアスもないのだが、正直興味があった。
ピアスコーナーに行って眺める。
ハートや星やいろいろなデザインがあって見るのは楽しい。
「いーなー・・・」
ピアスって穴開けるの痛いのかな。
血って一杯出たりするのだろうか。
興味津々で見ていると、横にいた梶が珍しくわたしに話し掛けてくる。
「穴を開けなくても、イヤリングにすればよろしいと思いますが」
「え?」
「イヤリングです」
「んー・・・」
もちろん、耳に穴を開けずともつけれるイヤリングやマグネットピアスについては知っている。
でも、わたし的には、デザインがピアスの方がいいなって思っているのだ。
代わりに、イヤリングという選択肢はわたしの中にはなかった。
「わたしはピアスがいいの」
「・・・あまり推奨しません」
「いいじゃない、やりたいことさせてくれたって・・・短い命なんだし」
「お嬢様」
強い声で呼ばれ、わたしは肩を竦めて見せる。