最後の陽が昇る日まで



「はぁーぁ・・・」


昼に焦がれても仕方がないことなのに。
諦めているはずなのに、心のどこかでは未練たらたらなのだ。


だんだんと、一つ、一つと周りから光が消えていく。
もう大分遅い時間になっているのかな。
このままここにいてもすることはなくなってしまった。
怒られるとは思うけど、梶に連絡しようかな。
私は、スマホを取り出して、電源を入れようとした。


「あれー?こんなところに1人で何しているのー?」
「え?」


明るい声が聞こえてきて、私は顔を上げる。
すると、そこには、男の人が二人、私を見下ろしていた。
暗がりだけれど、夜目は利くので、輪郭とかははっきりと見える。
同じ年くらいの男の人に見える。


「もう夜遅いよー?家に帰らなくて良いの?」


一人の男の子が私の隣に座った。
距離が近くなる。


「えっと・・・」


この手のことは初めてで、どうしたら良いのだろう?
戸惑っていると、立っている男の人が口を開く。


「訳ありか?」
「え?」
「あ、そなの?家出とか?援交・・・は違うっぽいけど」


家出、援交。
あ、こんな夜に一人でこんなところにいるから心配してくれているんだろうか?
見知らぬ人なのに、親切な人たちだな。

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