最後の陽が昇る日まで
「お迎え来そう?」
「えぇ・・・」
「あれ?何かあった?」
「すごく、心配させてしまったの・・・」
シュンッとなってしまう。
ただ、一人でブラブラしてみたかっただけの理由で、梶に迷惑を掛けてしまった。
「何かあったかは分かんないけど・・・謝ったら許してくれるよ」
「えぇ・・・」
「ありゃりゃ・・・そいえば、キミ名前何て言うの?俺は、劉生(りゅうせい)んで、こっちが達哉(たつや)」
「私は、心晴・・・」
「心晴ちゃんね。ほら、謝って次から気をつけますって言えば大丈夫だからさ」
「うん・・・」
必死に慰めてくれる劉生に私は梶が来たらすぐに謝ろうと思った。
「ーーーーおい、お前ら、何してんだ?」
第三者の声が聞こえて、劉生と達哉は声のする方に顔を向ける。
「ありゃ、これまた珍しっ」
「千景、お前こそ何している?」
「俺は、ただの散歩」
「散歩ってまた一人で?」
「おう」
「はぁー・・・困った人がここにもいた」
劉生と達哉が二人そろってため息をつく。
新しく来た人もどうやら二人の知り合いみたいだ。
どんな人だろう?と見てみると、私は息を呑む。
「あ?」
「千景にあれこれ言うのは後にするよ。今は、先約があるから」
「先約ってなんだ・・・っ」
視線が合う。
初めましてじゃない。
この人は、一度会ったことがあった。