最後の陽が昇る日まで



ベーコンはカリカリでスクランブルエッグはフワフワ、ケチャップをかけて食べるのが絶品。それと、クロワッサンを一つ。
オニオンスープは、猫舌なので完全に冷めてから頂く。


「今日のスケジュールをお伝えします」
「はい」
「お食事の後は、お医者様の診察が入っております。それから、旦那様、奥様をお会いになってから、家庭教師の先生とのお勉強を2時間ほどの予定となっています」
「・・・終わる時間は何時くらいになりそうかな?」
「予定では、深夜3時頃かと」


部屋にある掛け時計を見てみると、今は9時。
6時間色々とすることがあるのか。


深夜3時か。
普通の人だったら睡眠を取っている時間になる。
私の為に、お医者様も家庭教師の先生も使用人の人たちも遅くまで仕事をすることになってしまい申し訳ない気持ちになる。


「後藤さんの仕事時間は?」
「今日は、11時までになってます」
「そう・・・」


11時も遅い。
使用人の人たちは、敷地内にある社宅に住んでいるから帰る手段とかは心配しなくてもいいと思うけど、疲れるだろう。


「休みの日には色々とお出かけに行かせて貰っているから大丈夫ですよ」
「え?」
「私の為に遅くまで申し訳ない、と顔にかかれていましたので」


流石、長く私の側にいたら分かってしまうものなんだな。


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