幼なじみのやめ方
「流石に……、尻軽すぎ、だよね…」

悩んだ顔で呟くと、唯は部屋を出た。

リビングに入り、第一に諒の姿を確認する。

唯は辛そうに顔を歪めると椅子に座る。

既に向かいの椅子に座って朝食を食べていた諒が、チラリと唯の様子を見る。

「な、何?」

それに気づいた唯がどきりとして動きを止める。

「いや?唯ここ最近様子おかしかったから、もう平気なのかと思って」

諒は朝食の目玉焼きを食べながら言うと、グニッと唯の頬をつねった。

「い、痛いっ……!」

「ハハッ。今日はいつも通りの唯なんだな。こっちのが良い」

諒は無邪気に笑うと席を立ち上がって食べ終わった食器を片付ける。
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