幼なじみのやめ方

「会社休むんだよ、当然だろ？」

当然、では無いと思うが唯は頷いた。

こんなことで会社を休んで良いものなのかと思うが、此処は諒に甘えておく。

「分かった。何処かに行くの？」

「んー、秘密。とりあえず、７日はいつもみたいにノーメイクはやめろよ」

諒が唯の顔をビシリと指さした。

「す、するに決まってんじゃん！」

唯が不満げに反抗する。

「はー？いつも面倒だって言ってメイクしてこない人の台詞だと思えないんだけど？」

諒は訝しげな顔をすると、食器洗いを終わらせネクタイを締める。

そして、スーツを羽織ると鏡で身だしなみを整える。