幼なじみのやめ方

「唯、準備終わった？」

すっかり準備を整えた諒は唯にそう尋ねる。

しかし、唯からの応答はなく諒は唯の部屋のドアの前に立つ。

「唯？そろそろ行く時間なんだけど」

ドアの前で唯を急かしても、唯が出てくる気配がない。

「ひょっとして寝てるのか？」

いくら質問しても返事はない。

「はぁ…、先行くからな！」

諒がそう言って立ち去ろうとしたとき。

「助けて……」

ドア越しに小さく助けを求める唯の声がした。

「――――唯?!」

何かあったと察した諒は勢いよく唯の部屋のドアを開ける。

部屋では、唯がしゃがみこんで啜り泣いていた。