幼なじみのやめ方
そう言うと、諒の胸に顔を埋めてぎゅっと力を入れた。

「まだ、そ、そう言うのは無理だけど……、今はこのまま抱き締めさせて……?」

耳まで真っ赤にした唯が、そう頼むと諒は優しく笑って唯の髪を一束手にとってくるくるといじって遊ぶ。

「良いよ、可愛いから。許す」

「…何、許すって」

唯がブスッとした声で聞く。

諒が意地悪そうな笑みを浮かべて言う。

「もう二回も俺に抱かれてるくせに純情ぶってるのが可愛いって意味………、あっ、痛い痛い痛い痛い!」

諒が言い切る前に、唯が諒を抱き締める腕に思いっきり力を込める。

「ギブ!唯ギブ!ごめんって‼」
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