幼なじみのやめ方
諒は呟くと、やれやれと言った風に首を横に振った。

そして、机の端にある付箋用紙を一枚取ると、そこにメッセージを書き始める。

【今日の夜、一杯やるぞ】

諒はそう書くと、真っ直ぐに唯の席に向かっていく。

「佐藤さん」

諒が呼ぶと、唯は不機嫌そうな顔で振り向いた。

「…なんですか?」

そう言いながらも、唯は用件がなんだか分かっている様子だった。

「このメモ、目を通して置いてくれますか?佐藤さんならこれだけでも分かると思うので」

唯の不機嫌な表情を気にせず、諒は爽やかな笑顔で言うと、唯にさっき書いたばかりの付箋用紙を渡した。
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