幼なじみのやめ方
大学は行かずに、バイトをして一人暮らしを始めた。

バイト先で、彼女も出来た。

それなりに彼女の事を好きだけど、佐藤ほどに、一緒に居たいと思うことはなかった。

一人で退屈な時間に、佐藤に会いたくなる。

初恋、というのはここまで心に残るものなのか、と初めて知った。

そんなときだ。









――――――佐藤が俺の前に現れたのは。

「…希勇」

最後に見たときよりも、ずっと綺麗になった佐藤が、そこに居た。

嬉しかった、跳び跳ねてジャンプしたくなった。

大人になっても、佐藤と話すのは楽しかった。

彼女が居るのに、不謹慎だよな。

だけど、本当に佐藤は他の女とは違うんだ―――。
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