幼なじみのやめ方
同じ大学に行ったと聞いたけど、付き合ってたりするんだろうか?

「あ、佐藤、また此処で飲もうな!今度は、俺の彼女と諒も一緒にさ!」

最後の悪足掻きのつもりだった。

ここで、佐藤が「諒とはもう会ってないよ」って言ってくれてたら、俺は、働きたくもない会社に就職することもなかっただろう。



佐藤は、頷いた。

まだ……、一緒に居るんだな。

一気に目の前が真っ暗になった。












「俺、唯と付き合ってんだよね」







最後に会ったときよりもかっこよくなった諒が佐藤の肩を抱きながら俺にそう言ったのは、佐藤と再会してどれくらい経った時だろう?




分からないけど、とてつもない敗北感があった。
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