幼なじみのやめ方
「いやいや、勉強の問題じゃないだろ。
お前の問題はコミュニケーション能力の問題だろ?」

諒は箸で唯を指すと、呆れたように言った。

図星を言われた唯が黙る。

野菜炒めのピーマンを黙々と別皿に移すと、それを纏めて諒の皿に乗せる。

「おいおい、嫌がらせかよ……」

嫌がらせの次元の低さに諒は苦笑する。

唯が机にうつ伏せになった。

「だってー、こういう風に楽に喋れるの、会社では諒しかいないんだもん……」

唯の言葉に諒は固まった。

その言葉に嬉しそうに顔をにやけさせると、唯の頭を撫でた。

「良いんだよ、唯は唯のままで。わかってるやつは居るから、ちゃんと。俺みたいにさ」
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