幼なじみのやめ方
諒の言葉に唯が顔をあげる。

「諒に分かられても嬉しくない」

「お前は…、何でそう言うこと言うかなぁ?」

唯の頭から手を離すと、諒はビールを口に運んだ。

「あ、そういえばお前家見つかったの?」

ビールをテーブルに置いて、唯に聞く。

唯はふるふると横に首を振った。

「駄目。会社の近くは全部高い。安いとこは駅から遠いし。やっぱ諒の家かなぁ」

「お前の遠いは遠くねぇよ。まだ考えたら?」

「うーん、言うても今月の18日迄には引っ越さないと…」

唯はそう言うと、机に突っ伏した。

「私も彼氏居ればなー」
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