幼なじみのやめ方
「そうですか」

諒はあきれ返ると、スタスタと私の前を歩いていった。
















会社に着いて、私も諒もいつも通り業務をこなす。

ただ、いつもと違うのは昼休みに女子社員の岩長杏(いわなが あん)が私に近寄ってきた事だった。

「佐藤さん、ちょっと食べに行きましょう」

にこやかな笑顔でそう言っているが、目は笑っていない。

「どうして、私が岩長さんとご飯を食べに行かなくちゃいけないんですか?仲が言い訳じゃ無いですよね?」

普通に断ろうと思っても、どうしてもキツい言い方になってしまう。

こういうところがコミュニケーション能力が無いと言われてしまうのだ。
< 32 / 170 >

この作品をシェア

pagetop