幼なじみのやめ方
「そうですか…、じゃあ、お話だけでも良いのでちょっと来てくれますか?」

表情を崩さず言ってくる辺り、胡散臭い。

けど、こういう女は放っておくと面倒くさいし行っておくか。

「分かりました。良いでしょう」

席を立ちあがり岩長についていった先は、滅多に人が来ない資料室だった。

何となく嫌な予感がする。

入るなり、岩長は今までのにこやかな表情とは一転、鋭い野良猫のような目で私を睨んできた。

「ねえ、電車で堀合(ほりあい)部長と一緒に居るの見たんだけど、どう言うこと?」

バン!と私の後ろの壁を叩いて壁ドンされた状態で凄まれる。
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