幼なじみのやめ方
「一緒に会社に来ただけですけど、何か?」

「だから、何で一緒に来たのか聞いてるの。言っとくけどねぇ、堀合部長に相応しいのはあんたより私なんだから!」

岩長の言葉につい笑ってしまう。

諒はそんなに高く評価されるような男じゃない。

「何笑ってるのよ‼」

私の態度が気にくわないのか岩長はヒステリックに叫ぶと、私の頬を平手打ちした。

ぶたれた頬を押さえ、ぎろりと岩長を睨む。

岩長が怯えたように一歩下がった。

「…そんなに諒が好きなら、お好きにどうぞ。諒とは只の幼なじみであって恋愛感情なんて一ミリも無いので。まぁ、といっても、人に暴力ふるう人間を諒が好きになるとは思いませんけどね」
< 34 / 170 >

この作品をシェア

pagetop